2024年

優秀賞  和泉広大(全日制学科)

大口真神

リング・ペンダント・ピアス

ニホンオオカミが神格化した姿である「大口真神」をコンセプトに制作しました。大口真神はおいぬ様とも呼ばれており、江戸時代の頃から魔除けや守神として広く信仰されていました。ヤマトタケルとも深い関係があるので気になった方は調べてみてください。

また、もののけ姫に出てくる白いオオカミ(モロの君)のモデルが大口真神だそうで、あれほどの逞しいオオカミがそばにいて守ってくれたらいいなと思い、魔除けや厄除けの意味を込めて制作しました。

奨励賞 小岩泉(総合学科)

The snow queen

ネックレス・リング・ピアス

ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話“雪の女王”をモチーフにしている。
物語の中で重要な役割をしている悪魔が作った鏡を目立つ場所に配置している。
この鏡の破片が少年カイの目に刺さり、まるで別人かのように乱暴で冷たい人間になってしまうところから物語が始まるのだが、その刺さった破片を溶かして元のカイに戻すことができた少女ゲルダの涙(リング)や雪と氷を連想させる石の配色にも注目していただきたい。

2023年

優秀賞  津田春花(全日制学科)

円と四角

ブレスレット・ブローチ

円と四角という図形に注目し、これらが生み出す動きや広がり、調和をブレスレットとブローチで表現しました。
モチーフにはあえて意味を持たせず、円と四角の形そのものを目で見て楽しめるようにしました。

両作品はともにシルバーのテクスチャーにレティキュレーション技法を用いました。
板の厚みがわずかに違うだけでもシワの表情が大きく変化するため、自分が求める模様が出るまで何度も挑戦しました。

奨励賞 瀧日初穂(全日制学科)

月と太陽の天秤

イヤリング

太陽と月、光と影、互いになくてはならない大切な存在を、それ自体片方だけでは機能しない天秤と組み合わせて表現しました。

SNSやニュースなど、何が正しくて何が誤りなのか推し量るのが難しい世の中ですが、その中で何を選択していくのか。
自分の心で考えられる様にしていこうという気持ちで制作しました。

2022年

優秀賞  高崎泉(総合学科)

実り

ブローチ(かんざしパーツ付き)

「実るほど こうべを垂れる 稲穂かな」

収穫時を迎えた黄金色の稲穂を、曲線とマーキスで作りました。
ブローチピンを付属パーツに通すと、簪(かんざし)になります

近頃、身近なものをあらためて見つめなおす時間が増えました。
ごはんをいただいているときに、お米を通して夕日に輝く秋の田の風景が目に浮かびました。
まさに刈り入れ時を迎えた青みが少し残る籾(もみ)の色を、濃淡のシトリンなどのクオーツで表現しました。

優秀賞 高橋裕子(総合学科)

白昼夢

ネックレス

曖昧な意識の中で目の前に繰り広がる夢のような溢れる色彩と輝く世界しかし確実に過ぎている日常。
幻想的な白昼夢をイメージしました。
セッセと巣に餌を運ぶアリの行列は社会の日常を表しています。

注目ポイントは色使いです。
単色や同系色で揃えた方が高級感も出るし纏め易いのは承知ですが、無難に纏めてしまってはつまらないので敢えてかなりの色を組み合わせる事で個性を主張しております。
作品全体から遊び心も感じていただければ嬉しいです。
背中の迷子になったアリもお気に入り。

2021年

最優秀賞  山口杏子(全日制学科)

約束

ティアラ

『「いつか僕と結婚して下さい。」そう告げて目の前にいる子に花冠を被せる。ぽかんとした表情をしたかと思えばみるみる内にどんな花よりも真っ赤になった。』

そんな物語に出てくるワンシーンに登場する花冠をイメージしました。
石・真珠はサムシングブルーにちなんで青色に統一しています。

コンセプトのみだと一見幸せな情景ですが、後に二人は惜別します。しかし、『ふと視界に入る花で思い出す戻れない日々。かの人にはもう会えないけれど、あの時もらった幸せで今を生きてゆく。』そう毎年思い出せるように、花は野原や庭先で見られるものにしました。

優秀賞 福山紘子(総合学科)

Brooch

ブローチ

100年以上前からある七宝模様をモチーフにブローチを制作しました。七宝繋ぎは円が永遠に続いていくことから円満、調和、ご縁などという意味があり縁起の良い柄です。ハレの日はもちろん、普段のTシャツやニットなどにも合わせやすい様、少しカジュアルな印象をもたせたかったので、あえて宝石などは使わず地金のみで表現しました。

ブローチは身体に直接ではなく、洋服の上に着けるものなので、着用した時に洋服が透けて見えるように薄いシルバーの枝で模様を入れて着る洋服によっても雰囲気を変えられるようにしました。また、裏から見てもきれいに見えるように半球の部分にひし形のデザインを入れました。

2020年

優秀賞  野澤満帆(全日制学科)

会えない君の瞬きを聴く ~ジョバンニとカムパネルラに寄せて~

ヘッドジュエリー

宮沢賢治著「銀河鉄道の夜」をモチーフにデザインしました。左右の耳の十字の飾りは、銀河鉄道の旅の始まりにあたる“白鳥の停車場”(はくちょう座の北十字)と旅の終わりである“サウザンクロス駅”(南十字)を表現し、それらを繋ぐ後頭部の飾りは、銀河鉄道の行路である“天の川”を表しています。「銀河鉄道の夜」本編に描かれる宮沢賢治氏の独特の表現や様々なモチーフを色石で表現し、散りばめています。

「ほんとうのさいわい」を求めた二人の少年は、たった一夜の旅を終えた後、もう二度と会うことは叶いません。カムパネルラの瞬きはそのまま星の瞬きとなり、ジョバンニも夜空を見上げては、彼を探して耳を澄ませているのかもしれません。二人が見つけた「ほんとうのさいわい」に想いを馳せて。

優秀賞 奥山大雅(総合学科)

playing kids

ブローチ・ペンダント

冬を楽しみにする子どもの頃の感情を表現しました。
実際とは異なる幻想的な角の形状や、月を跳び越えている躍動感で子どもらしさを表現しています。
もう1点のネックレスは冬の景色をイメージしており、子どもから大人へ齢を重ね、楽しみも変化していく様子を対比で表現しました。

卒業制作ということもあり、今までの作品に使用していない技術を取り入れようと、グラデーションのパヴェに挑戦しました。
銅板に4度程練習をしましたが、グラデーションのバランス、石の深さや爪の残し方を試行錯誤しました。

2019年

優秀賞  井原菜津美(全日制学科)

四季

髪飾り・リング・ブローチ・ネックレス

春夏秋冬のテーマで、それぞれの季節ごとのアイテムを制作しました。
春は桜の髪飾り、夏は海のイメージのリング、秋はもみじのブローチ、冬は雪の結晶のネックレスを制作しました。

それぞれの季節で身近に感じるものをテーマにイメージを作っていきました。特に海をイメージしたリングは中心のクラックの入ったビー玉が光を受けて海の中のようにキラキラ輝きます。それがクジラの尾のような爪の内側に反射して見えるところはお気に入りです。

優秀賞 樺沢実栄(全日制学科)

Garden

ネックレス

夏休みに見に行ったショーメ展で、皇妃ジョセフィーヌの自然科学に対する情熱が今もなおショーメのジュエリーのインスピレーションであり続けていることに心を打たれ、私もジョセフィーヌが愛した自然や庭園をコンセプトにしたいと思いデザインしました。

無邪気に咲く花々と、それに誘われた虫たちがにぎやかに飛び回る姿を表現しました。花の1つがピンとして使える遊び心も入れてみました。

2018年

最優秀賞  土屋阿弥子(総合基礎科)

鶴亀

帯留

この帯留は、白無垢用の帯留で、縁起の良い『鶴亀』をモチーフにしています。長寿の象徴として知られる鶴亀ですが、地方によっては、『夫婦の神』にもなっています。その地方に伝わる、昔話「浦島太郎」は、玉手箱を開けた浦島は鶴に、乙姫は亀になり、蓬莱山に行って『夫婦の神』になった、という結末だそうです。花嫁が幸せになれるようにと願い、帯留を制作しました。

優秀賞 佐藤奈奈(全日制学科)

彼岸花

彼岸花が好きで、花の生命力と美しさを表現しました。

彼岸花の生命力あふれる美しさをイメージして作りました。

注目してほしいポイントは緋銅で表現した花びらの色鮮やかさです。

2017年

最優秀賞  高橋星来(全日制学科)

日本最北の子

ネックレス

私の地元、旭川市にある旭山動物園で最も有名なアザラシのマリンウェイをイメージしました。
上から見た星とアメシストは旭川の市章、それを囲む部分は旭橋を表現しています。マリンウェイの下部分は表から裏側へかけて海から川へと繋げました。2匹のあざらしは旭川に沢山の人が訪れるよう願いを込めて新たな出会いを表しています。

優秀賞 増田佳穂(全日制学科)

メモリーフレーム

ネックレス

ネックレスだけど、置いた時に写真立てのように写真などを入れられるもの。

久しぶりに中学時代の友人と会ってアルバムを見返していた時、普段は写真が苦手な私ですが、写真を見て、時が経つにつれ忘れてしまっていた楽しかったことなど当時のことを思い出せて嬉しかったので、今回卒制を作るときに、写真を入れて飾ることのできる写真立てのようなものを作りたいと思いました。実際に写真を入れて飾ることもできますが、写真を入れなくてもこの作品を見るたびに楽しかったことを思い出せるように、思いを込めて作りました。