2022年 ディプロマ取得 野澤昌勝 さん
FGAを目指したきっかけ
自分はもともと異業種で12年働いていましたが、横浜で宝飾店を営む実家に戻ることになり、店頭に立つにあたり、一日でも早く宝石のことを学び修める必要がありました。
「仕事と同時進行で、海外でも通用する権威のある、色石に関する資格を日本語で最短で取りたい」という自分の希望と完全に合致するのが、日本宝飾クラフト学院宝石学部 夜間通学コースでした。終わってみれば、入学申込みからちょうど2年でFGAディプロマの合格通知(PASS MERIT)を受け取ることができました。
野澤さんは高得点での合格である
「Pass Merit」で合格しました。
FGAの勉強
夜間通学なので、仕事と同時進行で時間を作りながら学校に通い、勉強していました。
夜間通学コースでは授業時間に限りがあるため各自予習が基本で授業は不明点の確認と議論が中心でした。時に先生の貴重な体験談も聞ける、大学のゼミのような雰囲気でした。
FGAはテキストを一通り読んだだけでは満点解答にたどり着かないのが特色だと思います。
理論試験は論述式であり、初心者に教えるように図や表を添えて、定義、説明‥などポイントを押さえないと得点になりません。問題数も多いのでスピードも重要です。
授業も、上記のような、いわゆるFGA式の回答法とテキストの解説を過去問と絡めて教授する、というもので、イギリスの方針で答えそのものを教えることは避けられていました。
回答へは自分たちで到達しなければならない、という大前提があるためです。
このような無理難題も、振り返ってみれば、同期の皆の存在があったからこそ、乗り切れたのだと思います。1年目のファンデーションの時から、全員で受かってイギリスの卒業セレモニーに行こう!という士気の高い面々だったので、早々にLINEグループを作り自主的に勉強会を開催していました。具体的には、ノートのまとめ方を見せあったり、過去問を各自解いて、なぜそう解答したか議論したり。誰もわからないことは次の授業やGoogle classroomで先生に聞くことにしました。個別で先生に聞いたこともLINEで皆に展開していました。他にも実技試験用の石を一緒に探しに行ったり、自主的に実技模試をやったり。試験前の苦しいときにも、同期はもっと頑張っている!と思い、取り組みました。
自分はとにかく、「わかったふりをせず恥をかいて覚えろ!」という鈴木先生と森先生のご指導のもと、まず誰よりも先にたくさん自分が恥をかこうと思い、分からなかったらすぐメモをとり質問して不明点を潰すように努めました。先生方にはご迷惑だったと思いますが、数えきれないほどの不躾な質問に丁寧にご対応いただけたことを心から感謝しています。
FGAを目指す方へ
自分はこの2年間で、空白の12年をどれくらい埋められるか、いわば時間を買うためにFGAに挑戦しました。その過程で、宝石学の「知識」だけではなく、今後将来にわたって有用な「調べる力」や、厳しくも優しい先生方と、常に刺激を与えてくれる尊敬すべき同期の皆との「繋がり」を得ることが出来たと確信しています。
宝石を学ぶ選択肢はFGAが全てではありませんし、最低2年という勉強期間を費やすことは大変です。しかし、多くの宝石、特に色石を専門的に勉強した成果を示す指標として、FGAに代わるものはないと思います。
地球が、気の遠くなるような長い時間をかけて作り上げた、天然の宝石。そのすべてが偶然の産物ですが、FGAを目指すために集まった自分たちもまた、偶然の出会いでした。
宝石とは何か。そしてその違いを知りたい、突き詰めたい方へ、是非ともFGAをおすすめしたいです。きっと同じ志をもった同期と、熱量ある先生方に出会えると思います。