ジュエリーを始めたきっかけ
私がジュエリーを始めたきっかけは、私の大学の入学祝のプレゼントにと、 母が知り合いのジュエリー作家の方にネックレスをオーダーして作ってもらった事でした。私のスケッチしたデザインを元に、母の友達の作家さんが作ってくれたのですが、初めて自分でデザインしたものが形になったのを見た時とても感動しました。
そして、「自分でジュエリーを作れるようになれば、自分のデザインしたものが、沢山形にできて楽しそうだな・・・」と思い、 ジュエリーの制作に興味を持ちはじめました。
私は大学では美学美術史を専攻していましたが、学芸員として美術に関わるのではなく、制作をする方に進みたいと思い、大学に通いながら、ダブルスクールという形で日本宝飾クラフト学院で学び始めました。
クラフト学院で学んで役立っていること
私は、日本宝飾クラフト学院では、総合学科のデザイン制作鑑別コースに通いました。
一番最初にジュエリーを勉強した学校が、クラフト学院で良かったと思うのは、 大学に通いながらも、一通りのジュエリーに関する知識を1年半という凝縮した時間で集中して学ぶことができた事です。
大学の授業とアルバイトとクラフト学院の掛け持ちは、今思えばとても大変でしたが、 最初に幅広く学ぶことで、ジュエリー制作とはどういうものなのかが、広く理解する事ができました。
先生も、元職人や現役のデザイナーの方が多かったので、確かな知識をもって教えていただきました。
在校中に、ジュエリーコーディネーターの資格試験も受験しましたが、試験勉強を通して ジュエリーの歴史や、石に関する知識を真剣に学ぶ良いきっかけになったと思っています。
卒業後、Webデザイナーを経てニューヨーク
クラフト学院卒業して5年後渡米して、現地の大学を卒業、インターンなどを経て、自分自身のブランドのコレクションも同時に作り始め、少しづつ軌道に乗ってきたタイミングで独立し、今に至ります。
私の作品は、全て自然と素材とテーマを元に、マンハッタンにある私の工房で全て手作りで作られています。
自分のブランド、Ayaka Nishiを立ち上げて、5年が経ちますが、今は、自分のオンラインのサイト、ニューヨークのブティックやソウル市の百貨店、ロンドンのオンラインサイトなどで販売しています。ギャラリーでの個展も定期的に、東京、大阪、ソウルなどで年に数回しています。今年は5月に東京の恵比寿にあるジュエリーギャラリー、ドゥ・ポワソンで個展をさせていただきました。去年はニューヨークのファッションウィークに合わせて、ジュエリーのファッションショーをエンパイアホテルで開催しました。
学生へのアドバイス
学生の時、私は、制作に時間がかかりすぎたり、失敗したりする事が続くと、「向いてないのかも・・・」と思い自信がなくなっていた様に思います。でも、今思うと、経験が浅いうちは、うまく出来ないのは当然です。制作は経験なので、時間をかければかけるほど、感覚が身についてきて、うまくできるようになります。なので、焦らずに、何で失敗したのかを意識しながら続ける事です。
それから、自分の作品のスタイルに悩む事もあるかもしれませんが、それも、沢山作品を作り続けると、おのずと、自分がどういったものをやっていきたいのか見えてくると思いますので、やはり、色々考えるより、まずは沢山作り続ける事が大事だと思います。そして、価値観が囚われないように、ジュエリーに限らず、映画や音楽、美術、ファッション、工芸など、様々なものに触れることは大事です。
一見無駄に見えることも、結果的には全て自分の為になるとポジティブに考えて色んな事にチャレンジしてみるのもいいと思います。
パリで開催の鹿児島工芸展に出品
一般財団法人地域文化振興協会主催のパリのグループ展「8人の職人による鹿児島工芸展」に西彩加さんのジュエリーが出品されました。西さんの作品は、薩摩切子作家の頌峰さんに特注した薩摩切子をポイントに、ネックレス部分には2年前に帰郷し桜島で拾った溶岩を使ったもの。蜂の巣上の部分にはオパールとシャンパンコニャックダイヤモンド、水晶を組み合わせています。西さんは、「NYで培ったスタイルと伝統工芸を組み合わせたら面白いものができると思っていた。薩摩切子が美しく見えるよう、できるだけ覆わないで石留めするようにした」と話しています。
工芸展は、フランスのパリ日本文化会館で2013年9月3日(火)~14日(土)に開催。
左が出品された西さんの作品