2023年 ディプロマ取得 笠原可名 さん

FGAを目指したきっかけ

大学を卒業後、金融の会社に就職しましたが、オークションに興味があったので2015年にクリスティーズに転職しました。
会社のOJTでいろいろな勉強をしましたが、宝石についてはきちんとプログラムされた宝石学を学んだ方がいいと思い、FGA資格に挑戦することにしました。

FGAの勉強

Gem-A宝石学コースの1年目のファンデーションコースは、仕事との両立を考えて、通信指導コースを選びました。通信指導コースは時間の調整がしやすいのがメリットです。講義の動画も、電車の中で見たり、仕事が終わった後に見たりできますし、何度も繰り返し見ることができます。先生から帰ってくる過去問の添削は細かいところまで見てくれて非常に充実していました。過去問を解いて、添削を見直すことを何度も繰り返しました。

また通信コースでも、同級生とは仲が良く、東京の人とは週末に集まって勉強会をしました。同級生は、宝飾業界のいろいろな仕事をしている人がいたので、そこで他の仕事の話なども聞けたのもよかったです。

ディプロマコースに進んだ時に、ディプロマはたくさん石を見た方がいいとアドバイスを受け、通学コースに変更しました。ディプロマは石をたくさん見ないといけないし、一つの石の中で見るべきところも増えたので通学に移ったのはよかったと思います。例えばインクルージョンも、そこにあるのに気が付かないということがあり、その都度先生にそこを見なさいと指摘してもらうことで初めてどう見るのかがわかるようになりました。

試験前は、プレッシャーで試験が夢に出てきたりしました。でも、手にペンだこができるくらい勉強したのは人生で初なんじゃないかと思うくらい勉強したので、それはいい経験になったと思います。試験対策としては、ノートに何度もまとめました。理解できていると思っても出来てない部分があるので、それをどれくらいつぶせるかが大事だと思います。

ディプロマでも勉強会は継続していました。みんなでノートを見せ合ったり、石を持ち寄って鑑別したりしました。他の人の解答を見ることで、こういう書き方もあるんだということもわかり、その繰り返しの中で自分の解答ができてきたと思います。

FGAの試験は絶対評価なので、同期はライバルではなく共に助け合って合格を目指す仲間です。みんなで一緒に合格するためにどれだけ頑張れるかが大事です。私はクラスメイトにも恵まれたと思います。

笠原 可名 さん

FGAで仕事の幅も広がる

現在は、東京オフィスの宝石を担当しています。海外でジュエリーのオークションが開催されたときに、日本のお客様が「買いたい」「売りたい」というときに、通訳や書類の確認、発送の手伝いなどをしています。FGA取得前は、オークションの世界しか知りませんでしたが、Gem-A宝石学コースでは宝石が採掘され、それがどのようにジュエリーになり、どのように売られるかまでその過程も学びます。また、オークションに出る宝石はある程度限られた宝石ですが、実際の鉱物はもっとすごくたくさんあることも知れました。宝石の知識を得ることで、予測できなかったことが予測できたり、想定できる幅が広がったと思います。今はいろいろな合成石やラボグロウンダイヤモンドなど鑑別が簡単でないものも出てきていますが、目の前にある石には、常にその可能性があることを知識として与えられたことはよかったです。

また、オークションのお客様は年上の方が多いですが、資格をとったことで若手の私でもすごく信頼を得られるようになりました。

これからの夢

海外の支社では宝石の鑑別をして価格をつける部門のスペシャリストと呼ばれる人の中に、FGAを取得している方がいます。将来的には、私もそのスペシャリストになりたいと思っています。

FGAの勉強をして、宝石の世界がすごく深いことがわかりました。勉強しているときは、これですべてを学んだという気分になっていましたが、資格を取得して改めて見てみると、今初めて宝石の世界のスタートラインに立てたのだとわかりました。

FGAを目指す方へ

宝飾業界はすそ野が広く、学者のように詳しい人から、ほとんど知識のない人まで一緒に働いています。FGAは業界の中で権威があるので、持っていることで宝石について勉強しているという認識を相手に与えることができます。FGAは業界のお客様にも信頼がおかれている資格だなと思います。それにより私自身の信頼につながっていると思います。

FGAは勉強量が多く、大変な資格だと思いますが、同じ目標に向けて頑張る良いお友達もできますし、自分の知識が増え、お客様からも信頼してもらえる非常に価値のある資格だと思いますので、ぜひ多くの方に取得していただきたいです。