2019年 ディプロマ取得 金森 弘 さん

FGAを目指したきっかけ

「オレタチ、宝石ヤル、モウカル」と訛りの強い英語で話してきたのはインドの友人。
私の初めての宝石との出会いはこの時でした。
率直に言ってしまえば、「石」にあまり興味がなかった性分で、インドでNGOの学校教員として働いていました。
しかし宝石輸出大国の一つであるインドの宝石の生み出す富に魅了され(目が眩んで)色石のトレードの世界に入ったのでした。

もちろん、世の中そんなに甘くなく、裏マーケットでの南アジア人との壮絶な騙し合いの洗礼を受けることになったわけです。
とある国では、石名を偽る、処理を隠す、偽造の鑑別書などは当たり前の世界でした。
そんな中にいながら感じたのが、「自分でしっかりと見極められる技能を身に着けること」と「宝石学の知識がある人は必要性に対してまだ少ない」ということでした。

さて、初のクラフト学院では日付を間違えて制作・デザイン系コースの体験会に来てしまったわけですが、偶然いらした伊藤先生の「色石といったらFGA!」という言葉に後押しされ、気づいたら願書を書いていた、という流れになります。

「Pass Merit」の優秀な成績で合格しました!

FGAの勉強

「面白い!」・・・でも正直なところ、ナメてました。
文系学部出身の体育会人間には初の理系分野での勉強となりました。
ファンデーションコースの初めのころは、論述形式の問題で「求められている回答がわからない」状態であり、宿題問題にもずいぶん余計なことを書いた記憶があります。
通信制にもかかわらず、丁寧に添削していただいた先生方には感謝もひとしおです。
なんとか、ファンデーション試験三ヶ月前頃には「求められている回答(と思われるもの)」が完成してきてました。
しかしここで問題発生。
「模擬試験が全くわからない」
それでも試験対策セミナーなどを何回か重ねると「勉強した内容をどう活かせばいいか」がわかってきました。
その結果、試験にはファンデーション・ディプロマともに合格したわけです。(内心、「当たり前だよなぁ」と思っていました。合格で本当に良かった。)
コースを振り返ると、私のような宝石学初心者でもしっかりFGAへたどり着けるステップがあると感じています。
基礎、回答案の作り方、そして試験対策。やはりこれは独学とは違うところで、体系立てた学びがあります。

宝石学で特に面白いと感じたことは、学べば学ぶほど、石のもたらす現象が理解でき、わずかな手がかりからでも情報を得られる、ステップアップが感じられることでした。
練習すればするほど見破れることも多くなり、速くなった実感もありました。
昔は悪徳商人の持ってくるさまざまな特性の「ガラス」に悩まされたりもしましたが、そんな実践と訓練をすればするほど、簡単に見破れるようになってきました。実践訓練をありがとう、悪徳商人。ガラスは試験に出なかったけどな。

FGAコースを修了した今となっては悪徳インド人も裸足で逃げ出してくれるでしょう。

そんな先生方や良いインド人に支えられ、合格となったわけですが、学べば学ぶほど、もっと知りたいことも出てくるものです。今後もこのコースで学んだことを確かな基礎として勉強や研究をしていきたいです。

FGAを目指す方へ

様々な情報も学び方もたくさんある時代の中で、最も長い伝統を持つFGAのコースは白眉です。
インターネット万能説があるこの時代ですが、はっきり言ってこのコースとネットなどを使った独学では雲泥の差があります。
正しい基礎知識と、それに裏付けられた思考、そして鍛えられた目を通して見ないと石でも情報でも正しいものを選び抜けません。
こんな時代だからこそ、確固たる信頼できる基礎を作るという意味でも、FGAコースは非常に有意義ではないでしょうか。